LABORATORY♯8  '06 Jul + Nov PEN Zuiko vs OM-ZUIKO
新旧F1.2レンズ。FTのモダンなデザインには、OM-ZUIKO(右)の最終型も似合う

 今回はOMマウントアダプターを使った、新旧の標準大目玉対決。
左がFT用Zuiko 42mm/f1.2(1968発売)。右がOM用ZUIKO 50mm/f1.2(1982発売)です。 
OM用の1.2レンズも発売当時はもちろん今でも35mm判最小の、フィルターはFT用と同じ49mm径。
アダプターを介して装着した姿は「鯉のぼり」。しっかりした鏡胴でなかなか使い心地の良いレンズです。

 しかしなぜ主操作系の絞り環・レンズ着脱とも、回転方向が逆なのでしょう?
(*ピント環は、PEN, OMとも同方向 7/19訂正)
PENとOMを間違えないように?バカな!Canon対Nikonじゃあるまいし。
同じメーカーなら新旧機種でも違和感無く使えるようにするのが普通。
主操作系を全部逆回転にした親子・兄弟カメラなんてどこにも無いですよ。
なんかズッコケているのが、OL製の特徴です。

 そして、もうひとつのテスト。
今回の画質チェックのDigital化には、ハーフ判を認識できるCanonのフラットベッドスキャナ"CanoScan 9950F(V)"と、これまでどおりのNikon "COOLSCAN V ED"を使用しました。
ハーフ判を認識しながら、最大30コマを自動処理可能という最新フラットベッドの実力や如何に?

 Nikon COOLSCAN V ED 4000dpi: \57500〜
 Canon CanoScan9950F(V) 4800dpi: \28500〜


1. OM用ZUIKO 50mm/f1.2  左:CanoScan9950F  右:COOLSCAN V ED
(各画像をCLICKで縦 960pix 大画像になります)


2. FT用Zuiko 42mm/f1.2  左:CanoScan9950F  右:COOLSCAN V ED
(各画像をCLICKで縦 960pix 大画像になります)


新旧 f1.2 対決

1.OM用ZUIKO 50mm/f1.2

開放で使いたかったのですが、日差しが強く f2.0 1/500秒 による撮影。撮影距離45cm

2.PEN-FT用Zuiko 42mm/f1.2
1.の撮影後10分以内にもかかわらず、やや明るくなり f2.8 1/500秒。撮影距離35cm

* フィルムは、フジクローム ベルビア100 (RVP100)。 ボディはFT(B)296503

■OM用ZUIKO 50mm/f1.2 は35mm判換算で70mm に対し、FT用Zuiko 42mm/f1.2は59mmと短焦点の分もあり、被写界深度が深いのが分かります。
テスト撮影のように、半逆光で開放F値近くを使ったハイキーな露出の撮影では、FTのボディはミラーボックスの懐が狭く、内面反射が起こりやすい条件です。
当然、イメージサークルが大きいOM用ZUIKOの方が、フレア(内面反射のカブリ)が発生しキレのある描写は不利と予想されました。
しかし実写を見るとフレアも少なく、優秀なマルチコーティングレンズのためかシャープでコントラストも十分な画像といえます。
f2.0でも花の中心部(水滴に合焦)はカッチリとシャープで、十分な実用域に達しています。

■レンズの色特性が、明らかにFT用Zuikoは旧い感じの色調で黄が強く、バラの淡いピンクはくすんでいます。
緑の葉が新緑色になるのも特徴で、この傾向は新品時から言われていたものです。
それでも38mm/f1.8よりコーティングの進歩か?コストのためか?はるかにカラーバランスの良いレンズです。
描写はf2.8に絞ると立派なもので、かなりシャープな実用レンズといえます。
1960年代のf1.2クラスでは、最も解像度の高いレンズと記憶しています。

■OM用ZUIKO は f2.0 でも、まさにトロけるようなボケ味が楽しめます。滑らかなトーンは、Digital化画像でも十分確認できるでしょう?
FT用Zuikoの場合 、開放で同等のトロ味が出たのではないでしょうか?
屋外自然光撮影のため、ちょっと残念! まだテストは続きます。

フラットベッドスキャナとフィルム専用スキャナ

1.OM用ZUIKO 50mm/f1.2

左はCanoScan 9950FV で読込んだ画像。4800dpiで6803×1/2×4535画素(公称)ですが、実際には 3328×4608画素。露出はデータ不足のため、デフォルトまま自動露出。
右がNikon COOLSCAN V ED で読込んだ画像。4000dpiで5959×1/2×3946画素(公称)で、実際には2936×3946画素。露出はアナログゲインで調整。R色G色は経験データに基づき明るく補正。マスターは普段より暗くしてハイライトのトーンジャンプを抑制した。
*何れも原寸100%読込み。
*ごみ傷除去ON, 粒状感低減ON。

2.PEN-FT用Zuiko 42mm/f1.2

左はCanoScan 9950FV で読込んだ画像。4800dpiで6803×1/2×4535画素(公称)ですが、実際には 3233×4608画素。露出はデータ不足のため、デフォルトまま自動露出。
右がNikon COOLSCAN V ED で読込んだ画像。4000dpiで5959×1/2×3946画素(公称)で、実際には2954×3946画素。露出はアナログゲインで調整。R色G色は経験データに基づき明るく補正。マスターは普段より暗くしてハイライトのトーンジャンプを抑制した。
*何れも原寸100%読込み。
*ごみ傷除去ON, 粒状感低減ON。

■スキャナの色再現性や画質は、皆さんの手元にオリジナルのフィルム(フジクローム ベルビア100 )と再現性の良いライトボックス、ルーペがあれば比較できますが、それは不可能です。
もちろん、読込み時の設定によってもDigital化された画像の良否は大きく異なってしまいます。
スキャンする設定を決めるだけでも、膨大なテスト時間とサンプリングが必要なことは言うまでもありません。

また、画質や色には各自の好みや、使用するモニタの色特性、肉眼の識別能力差があるので、ここでは両スキャナの画質ついての優劣論は避けます。
強いて言うなら、どちらもWEBやブログ制作、A4判IJプリントを制作するなら大差なく“優秀”だということです。
もちろん、A4判の雑誌原稿にしても遜色無いでしょう。
3. CanoScan 9950F(V)はハーフ判を認識できる高速読込みスキャナ

■CanoScan 9950F(V)は、スリーブの状態でもハーフのコマ幅をきちんと認識し、1コマずつほぼ正確に読込めます。
しかも5列60コマ(35mmなら30コマ)を並べる事ができ、最大30コマまで一度に自動SCANが可能ですから、ハーフ判ファンには夢のスキャナ?です。
ただし、コマ認識は黒フチを基準にするため、コマ間があいまいな画像は一旦ズームUPして手動で選択範囲を調整する必要があります。
それでも最初にコマをセレクトし、モニタ上で各コマ毎に確認し微調整を行えば後は一括で読込めますから、PCの基本性能ととメモリ容量次第で相当効率よくDigitalデータ化が可能と言えます。

■Nikon COOLSKAN V ED はスリーブを35mm幅で2コマずつ読むが、実際は35mmとハーフ判のズレを正確に識別できません。
このため、1列のスリーブから12コマ(35mmで6コマ)判読する事も困難です。
Nikonでハーフ判を読込む場合は、プレビューしながら1or2コマずつ手動SCANするしかないのです。

読込みマスク(フィルムガイド)のため、横方向(長辺)は余裕を持たせてありますが、縦方向が若干削られるのが特徴でしょう。
また、マウントしたフィルムでなくスリーブからなのにSCANした画像が傾くクセがある。
これらの問題は、COOLSKAN V ED 以前から変わっていません。より高価な上級機ではどうなのでしょう?
4. 今はない#296503の最後の仕事は、100mm/f2.0という大口径のテスト

噂の超高性能レンズ

1.OM用ZUIKO 100mm/f2.0


■「たとえ新品時の価格より高くても買うべき」と、Fカラーの某氏に進言された、OM-ZUIKO 100mm/f2.0を カメラのきむら でゲット! たった39900円でした。専門店でじっくり探すと安いのがあるものなんですよ。
小川町のSSで1週間OH入院して、ハイ完璧ね。
7月27日に梅雨明けを待ちきれず、鶴岡八幡宮の源平池で本格的なテスト撮影をしました。
ドン曇りの朝とあって、1/500でもf2.8 or f3.5が使える絶好のチャンス。
フィルムは定番のベルビア100。フィルムをあれこれ変えるのは、私的にはデータが取れないため好みません。
カメラもレンズもスキャナもプリンタも、データが一通り出揃うまではフィルムが絶対値となるのです。

■このレンズ、確かに重いのですが鏡胴の造りがしっかりしているのと、自作の特製フードのお陰でホールディングはかなり良好です。FTのボディは小型で薄く、この手の大型レンズには不向きですから、それなりのモディファイは必要でしょう。
最近、私のFTはOM-ZUIKOの投入に伴って、よりProfessional Editionな風貌に変わってきました。

レンズフードはレンズプロテクト、乱反射光カッター、カメラのホールディングに重責を担うので、私の場合同じ取付け径ならどこのメーカーの物でも極力長くて軽量な物(鏡胴やマウントに与える負荷は重大)を使い、必要に応じて加工します。
フードは企業秘密なので、WEBでは公開はしません(笑)

■現像後のスキャンはこれまたテスト中のCanoScan 9950FVですが、次第にクセが分かってきたので、現時点ではベストな設定で読み込みました。

■ハーフのFTに取付けると140mm/f2.0 相当。これで70cmまで寄れるのですから望遠マクロとして面白い世界を覗くことができます。
純白の蓮の花弁を例によって2/3オーバー気味に撮っても、フワァとしたボケの中に、しっかり1枚1枚の区別が見えている。デジイチで言うトーンジャンプ=白っ飛びが無い。
皆さんのモニタ画像がどこまでキャリブレーションしてあるか、私にはわかりませんので細かいコメントは控えますが、なるほど素晴らしいレンズです。 
ぜひ画像をクリックして大判でご覧下さい