FROM EDITOR(2) Last Updated: 8/05/2007
  ♯12 「憧れカメラスタイル」について

“ペンスケッチ展3”が終わり、前回の更新からなんと13ヶ月が過ぎていました。
7月の初旬に、リスタート後3冊目となる「憧れカメラスタイル」が書店に並び、いろいろな意見が耳に入る頃となりました。

そもそもこの本は、「時カメ」より少しでも大きく作例を見せたいという思いが強く、前作の制作コンセプトを守りつつ、携帯性を考慮するとギリギリの大きさはA5判で、エイ出版がA5判シリーズを用意できるのを待った経緯があります。

「時を超えるカメラ」から2年。カメラ・写真業界はもちろん個人的にも急変した「カメラ・写真界事情」を反映させないと、感傷的な思い入れだけで機械式カメラの楽しさや、撮って遊ぶ魅力は語れないのではないか? 続編のコンテンツは早々に決まっていました。

冒頭に書いたように、1960−80年代のカメラを「クラシックカメラ」や「ビンテージカメラ」と呼ぶのは、いかにも軽薄で、投機本位の象徴のようなので嫌でした。
代わりに用いた「アコースティックカメラ」という造語に対しての反発も当然予想しました。
著者や編集者が「洋語」の意味をロクに知らべず、タイトルに使うほど無責任ではありません。きちんと語源を調べ検討して使用しているのです。

アコースティックカメラが「無知の象徴」なら、もっとひどい造語や誤用がより社会的影響力のあるマスコミに大氾濫しています。
人は集団(体制)に対しては妙に寛容で、個人(弱者)攻撃には夢中になりやすいのものです。

アコカメの内容は、歴代の拙著と同じで「私の体験談をベースに、失敗を防ぐための入門書」です。各テーマは、浅く広く、知らない人が損をしない程度の解説に止めています。
マニアレベルの人は、自力で探求するので、あまり口出ししないのが賢明です。
ネタの根幹は私の体験のフィードバックで、他人の書いた記事の転載や流用はありません。「勘違いや誤用」が無いか? 当時の資料を引っ張り出して検証するのが私流です。

ペンスケッチ展のコンセプト同様、趣味の楽み方は100人100様で、試行錯誤しながら前進することだと思うのです。
安易な回答はシラケるだけですし、100%の正解などどんな大先生でも不可能です。
どんな分野でも同じですが、生半可な知識を持つ人が一番保守的なようです。

これ以上書くと、ネット空間では妙に攻撃的になる方がいらっしゃるので止めましょう。


OM-2NとPEN-FT 標準F1.2付。MCレンズはテカらない        
♯11 PEN-FのライバルはOMだけ

OM-2Nを使って2ヶ月になります。学生時代さんざん使っていたOM-1の兄弟機なので、手が全てを覚えていますが、それにしてもペンFTから6年の進化はすごいものがあります。

なんと言ってもそのサイズ。FTと比較してミリ単位での差異はあるものの、感触的にはほとんど同じで、レンズによってはコンピュータ設計の進化でF-Zuikoより小型軽量なものが多いほどです。
さすがにフィルターサイズ43mmという径には収まらないものの、FT用の42mm(59mm相当) f1.2と同じ、49mm径で50mm/f1.2を作ってしまうあたりは、大変な技術力と言えます。

おそらく? 同期のCanonやNikonなどの50mm/f1.2 はフィルター径52mmだった時代だからでしょうが、この-3mmの口径差は周辺光量を考えると大変なリスクだったはずです。
にも関わらす、この50mm/f1.2がクラス最高の性能を誇ったことは有名です。

話をボディに戻して、視野率97%(公称)を誇るファインダーの明るさは実感で2倍!当時から知っていたけれど、ペンFT(改)と比較すると別次元のファインダーといえます。
ハーフミラーを使うEOSや最近のDigital一眼より明るいのです。
ペンFTと逆の意味で特殊なプリズム構造上、光路が極めて短くなり結果的に様々なアドバンテージとなっていたのです。

各部の造作もペンFTより格段にミドルクラス一眼レフらしくなっており、当時のペンタックスSPFやミノルタSRT, キヤノンFTb, ニコマートFTNを慌てさせたのも納得できます。

親子2台、一緒に使うととても楽しいのですが、唯一の欠点は設計者が何を意図したのか?
絞り, レンズ着脱の回転方向がことごとく逆な事です。
(*ピント環は、PEN, OMとも同方向 7/19訂正)
まるで宿敵 Canon対Nikonのように・・・何故、同じ会社内の後継機にこのような「試練」を与えたのか全く不明ですが、もし「ペンF系とOM系を間違えないように・・・」などというなら、それこそ独断的で余計なお世話、現場の使い方を分かっちゃいない。ユーザーをナメています。
それならマウントアダプターなんか併売するな!と言いたかったですね。

とにもかくにも、最後まで撮影に持ち歩きたい親子カメラです。


  ♯10a フィルムフォトはもう無い!

“ペンスケッチ展”, “昭和のカメラで遊ぼ!/プレ展”であっという間に3月, 4月が過ぎました。
今年の春は天候不順で、このまま梅雨に突入しそうです。

さて先日、作品展会場スナップとGWのファミリースナップ用にカラーネガフィルムを使ってみましたが、驚いたことがあります。

それは、フィルムで撮っても今やデジタル出力は避けられないということです。
フォトCDを頼んだからではなく、何も指定しないと純正プリント/サービス判はレーザードットプリンターで焼かれてしまうんですね。
つまり、せっかくフィルムで撮ってもデジタルフォト化を余儀なくされてしまう。
自動スキャナで読み込まれる解像度は不明ですが、フィルムの粒子まで読んでいるようですから相当な高解像度でしょう。
が、粒子のツブツブをそのままデジタルのデジデジに読み込むから、なんだか妙にザラザラした絵になっている。
これをレーザードットプリンターが、自動的に色補正やら、メリハリ=コントラストと彩度をつけるのでしょう。ますますザラザラ、デジデジしたプリントが出力される。
ハーフ判に高感度フィルムを使うと、まるで200万画素級の旧いデジカメか、2世代前のインク粒の大きなインクジェットプリンターで出力したようなプリントになってしまいます。

昨夏までは、あきらかにオプチカル&ケミカル処理のサービス判だったのに・・・比較するとトーンやエッジの滑らかさが全然違います。
サービス判は鑑賞距離が近いし小さな印画を見ているんで、かなりザラザラと粒子が目立つし、色の境界がパキパキしていて気持ち悪い。
こんな画像でも世間一般の人は満足しているんだ〜!?

デジプリなら、Nikon COOLSCAN V で読み込んで、Canon PIXUS 9900i で出力したインクジェットプリントの方が、粒状緩和機能とインクには滲みがある分、はるかに階調が滑らかで粒状が目立ちません。
(他のサイトでも比較してますね)

これではフィルムを使うメリットを感じないし、こんな粗粒子画像で良しとしている世間様の写真プリントに対する“眼”が下がっているように感じました。
プリクラ、レンズ付きフィルム、カメラ付きケータイ・・・なるほど!画質なんて関係ないから、要求レベルが下がるハズだわ。


♯10b 掟破り?の30年ぶりにOM-2N登場!

舞台は変わって、池袋西武“昭和のカメラで遊ぼ!”セミナー。
まったく無名のMazKen講師なんざでどれだけ人が来るか??担当のS氏も相当な賭けだったと思います。
フタを開ければ、女性が6人と30代の男性が1人。S氏の思惑どおりではありませんか。
私の周りには、自然と撮影派のカメラ好きが集まるようです。
私は“先生”なんかじゃないから、気楽に昭和のカメラを楽しみましょう。受講料を払っただけのアドバイスはできると思いますよ。*
 * 5/14以降、参加希望の方は2日セレクトコース。当日受付可

このセミナーに合わせ、私もハーフの話題ばかりにならぬようにOM-2Nを入手。
慌ててヤフオクで買ったものですから、“極上品”とは名ばかりの中古並品・難ありですが、とりあえずFTと共有できるレンズを付けてセミナー初日に1本撮影。

OMは私が東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)に在籍中の2年間、トコトン使い潰した思い出深い名機なんです。
当時はOM-1MD(黒)+ワインダー1が2set、28, 50, 135mmのちに100mmの体制でした。

なんでOM-1Nにしなかったか? 中古相場が約1万円も高いからです。ペンFTよりFVの方が高いようなものでしょう。
それと電池。酸化銀電池がそのまま使えるのはメリットです。
何より、学生には高嶺の花だったOM-2は後世の一眼レフ自動化(T,E,M)に多大な影響を及ぼしていますから、一度使ってみたかった。

ペンFTと比較すると? ちょうど30年前、アサヒ ペンタッスSLからOM-1MDに乗り換えた時の感動が甦りましたね!



ホントはスーパーテクニックを駆使している
*画面をCLICKすると詳細が開きます
♯09a 甦った写真集“複製空間”

そもそも、私がペンFTを触ったのは、NECで新型ケータイの宣伝情報ばかり扱うようになったストレスからです。
Digitalカメラの便利さ、フィルムを超えることは百も承知していましたが、カメラ小僧時代に憧れだったペンFTの魅力にはとうてい及びません。この辺は“時を超えるカメラ”にあるので割愛。

昼休みに、FTを持ってスナップを撮り始めたのが会社の近所にある昭和のテーマパーク。
小僧の時に夢見た21世紀都市の姿がコレ!?、それを撮っているのがカメラ小僧時代幻の愛機。ナンジャ!?

レストアされたFTとレプリカの昭和30年代。
「FakeですよFake!」冗談なんです。
こうして誕生したのが“複製空間”。
本当はですね、昨秋オリンパスギャラリーで開催した“複製空間”展の前に、写真集を発表していたハズなんです。
“時を超えるカメラ”が前フリで、秋に出す準備をしていたのが・・・出版社の都合とやらで企画が宙に浮いてしまった。
初校まで出ていたので、後継人を捜したのですがそもそも写真集なんてモノは経費ばかり喰って売れない。

何とか“複製空間”展から半年後の3月20日、ペンスケ展で気分を盛り上げながら出版に漕ぎ着けたのが、MazKen@電脳光画集“複製空間”というワケです。




*画面をCLICKすると詳細が開きます
  ♯09b今更だからフィルムカメラ

もう当WEBの常連さんならご承知のとおり、3月21日からペン愛好家のグループ展“ペン スケッチ展”を開催します。

愛好家というとカメラヲタクを連想されそうですが、プロアマ30人の参加者は平均年齢もいわゆるカメラファン一般の60歳超級ではなく、30-40歳が中心。
しかも女性が9人もいるのですから、相当ユニークな構成です。

年内にもフィルムフォトが社会的に抹殺されようとしているのに、どうしてこんなにペンファンは熱心か?トイカメラブームをそろそろ卒業しようと言う層が移行してきたのか? わかりません。というか、私にはどうでも良いことなのです。

要はフィルムフォトvsDigitalフォトの構図ではなく、画像入力デバイスとしてペンFTを核とするペンというカメラが優れている・・・平たく言えば、カワイイ、カッコイイ、オシャレってだけのことでしょう。末永くそばに置きたい道具ってことです。

LやNのレンジファインダーこそお散歩に最適と主張したって、アイツを首から下げて撮っている人を街中でも観光地でも見たことないですよ。
ペンは違います。ポケットやバッグにねじ込まれながら毎日ご主人さまとお散歩の相手を務め、かといって18ヶ月のドッグスピードで旧式呼ばわりされることもありません。

新型買替え競争はケータイとPC機器だけでたくさん!休日ぐらい不変の愛機とまったりしたいのです。メーカーにはわからないでしょうねそんな“働き盛り世代”の気持ち。


FROM EDITOR(2) <<--FROM EDITOR(1)